青獅子の学級、クリヤーしたので感想など(ネタバレ注意!)

青獅子の学級、クリヤーしました。

モードは、ハード。タイプは、クラシック。 

 

話の大筋

最後の最後まで「王道(ディミトリ)と覇道(エーデルガルト)はともに歩めず」を貫いた、切ないシナリオでした。理解しあえても、人は簡単に共生できるものではない。

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 己が道を行くというのは、そういうことなのだ、と。

戦争が生むのは、復讐と狂気。人はそうして、人を殺し続けることをディミトリ自身が体現しています。重く輪廻のような内容を扱っているのが青獅子でした。

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ディミトリは、優しくも鬼のような一面を持つ非常に人間らしいキャラクターです。 物語が始まった時から家族を既に失い、心の奥には復讐心しかないディミトリ。

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主人公が青の学級を受け持たなければ、どのシナリオでも狂気の王子として現れます。

青獅子の学級で彼を指導し、節ごとに話をしていると、どれだけの孤独と絶望の中で過ごしてきたのだろうと考えさせられることばかり。

f:id:nomokasan:20190911122457j:plain自らの家族を失うこととなるダスカーの悲劇の首謀者がエーデルガルトだった、と知った時の狂気と悲しみは、たぶん誰にも分らないんだと思います。

5年後、ディミトリはたった一人でガルグ=マクに現れました。

修道院の陥落後、王国内で殺されかけ、ドゥドゥーに命を救われ、たった一人で逃げ出した。今まで、どこで、どれだけの絶望の淵にいたのか。何度、自分を罵り、責めてきたことか。

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女神の塔での邂逅も、出会ったというのに悲しみしかありませんでした。

兄を殺されたフレーチェが狂気を携えて襲ってきたとき、殺されることも当然と思うディミトリ。

が、果たしてディミトリはフレーチェに殺されるままだったのでしょうか。

たぶん、そうはならなかったろうなと思うのです。フレーチェを屠ろうと思えばいとも簡単に屠れるのだから。最後は、たぶんディミトリが勝った。

ディミトリがまた、生き残る。

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だから、ロドリグは割って入る。これ以上、復讐と狂気の連鎖が続かないようにするために。自分の親友が託した言葉を守るために。 

「なあ、先生、教えてくれ」そう問いかけるディミトリ。雨の降りしきる中、独白する場面。

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人の手の温かさにずっと触れていなかったディミトリが心の温かさを取り戻していく瞬間。どれをとっても、一番人間らしい級長だと感じます。 

王国を取り戻してすぐ、同盟の救援要請があり、物語が大きく動きます。クロードとは学生時代のように言葉を交わし、互いが己の道を歩みます。

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「また会おう」の言葉を残すところが、いかにもクロードらしいです。 

実際、クロードはパルミラ王なので、ここでは王国の王と、パルミラ王が邂逅しているわけなんですよね。

エーデルガルトも、ともに歩む未来ができるのでは?と期待しました。

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しかし、二人の話し合いにより、それはできぬ相談とわかります。 

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エーデルガルトは異形へと姿を変えても、自分の覇道を貫くことを決意する。

イングリットのセリフにありますが、これもまた「覚悟の証」なのでしょう。青獅子の学級に対して、エーデルガルトもまた全力で向かってくる。 

彼女を倒した後のムービーは恐ろしく切ないです。

最後の最後まで、彼女は己を貫く。

そのために、あの短剣でディミトリを殺し、未来を切り拓こうとする。

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横顔なのは子供のころとの対比なんでしょうね……。

ディミトリが5年後に隻眼になるのは、表情を見せないようにする演出も入っているんだろうなーと思います。効果的に使われていますよね。 

最後にディミトリがエーデルガルトをもう一度見ようと振り返ろうとするとき、先生がその手を引っ張ります。

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これ以上、ディミトリが死者の言葉を聞くことがないように。彼の手を引いて、こちらに連れ戻すのは先生しかできない。

「復讐を否定して続けてほしい」ロドリグとの約束を、先生もまた守ります。

 

感想

戦争とは?平和とは?

信じる道は何か?そのためになら、何をやっても許されるのか?

重いテーマを内包したままエンディングを迎え、ダスカーの悲劇など、核心がぼんやりした話もあり、正直言って、消化不良でもありました。

ですが、人の生きる世の中ですべてのことが明かされるわけはない。

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メルセデスと死神騎士のシナリオも、肝心なところがぼやかされたシナリオでしたが、でも、だからこそ人間なのだろうな、と。 

心が揺さぶられるような悲しい節もありますが、特に大人の方にはぜひプレイしてほしいシナリオです。

ラストバトルが、十傑祭りの金鹿がどこまでも突き抜けて明るい未来を模索するのに対し、地に足をつけ、人間の弱い部分を見限ることのない青獅子。

どちらのシナリオもよかったです。

 

これから、どうするの?

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次はエーデルガルトと、夜明けの手をとりあいたいと思います!

さてと、どんなふうに生徒を運用しようかなー。